Specification Of
Tourbillon
Base Caliber
2001年に完成した、時計業界初となる自社製の高性能フライング トゥールビヨンムーブメント。マニュファクチュール化に舵を切ったブランドの礎となる存在だ。セラミック製ボールベアリングを用いた軸受の採用と、キャリッジ下部に切られた歯車をサイドピニオンで回転させる方式によって、ブリッジのないフライング式でありながらも、安定的な回転を実現した。中央より上に配置された時分針など、トノウ型ケースに特化した構造になっている。
Cal.FM2001-2誕生のわずか2年後に発表された、ミニッツリピーターを搭載するトゥールビヨンムーブメント。地板を貫くパーツが存在し、複雑でモジュール化の困難なミニッツリピーター機構を搭載するために、一体化された設計に。Cal.FM2001-2をベースとしながらも、香箱の位置や輪列の変更が施されている。近年でこそ、自社製でミニッツリピーター&トゥールビヨンを作るブランドも増えたが、2000年初頭の当時としては画期的な存在だった。
2003年に2軸式のトゥールビヨン「レボリューション2」を発表した翌2004年、世界初となった3軸トゥールビヨン「レボリューション3」に搭載されたムーブメント。水平、垂直、上下の3軸で3つのキャリッジを備え、それぞれ1時間、8分、1分に1回転して、姿勢差を平均化する。オフセンターの時分表示に加え、5時位置、7時位置には、それぞれレトログラード式の8分計、60秒計が備わり、シンメトリーな美観を表現する。パワーリザーブは驚異の約10日巻きだ。
フライング トゥールビヨンの拡張性の限界を目指した「エテルニタス」シリーズのベースキャリバーは、フランク ミュラーで初となる自動巻き。プラチナ製のマイクロローターをトゥールビヨンキャリッジの裏側に装着。縦に重ねたツインバレルを採用しており、約8日間のパワーリザーブを備える。付加機能なしの「1」、パワーリザーブ表示を備えた「2」に始まり、「3」ではスプリットクロノグラフ、「4」ではエターナルカレンダー、「5」ではそれらを全て搭載する。
直径20㎜におよぶ世界最大のチタン製キャリッジを備えた2011年発表の「ギガ トゥールビヨン」に搭載されたムーブメント。縦2×横2の4バレル式によって持続的に高エネルギーを出力し、大型キャリッジを駆動させるにもかかわらず、約9日間のパワーリザーブを実現。一方、装飾技術の高さを象徴するかのように、美観にも優れたスケルトナイズ仕様に仕上げられた。輪列の取り回しを反転させることで、大型キャリッジがロービートで駆動する様を際立たせている。
20㎜径という大型キャリッジをそのままに、新生の「グランド カーベックスケース」に搭載すべく、一から再設計した最新の「ギガ トゥールビヨン」専用のムーブメント。ケース自体のサイズダウン化により、4つの香箱で約4日間のパワーリザーブを実現する。一方で、ダイアルを備える非スケルトンの仕様を採用し、裏蓋側にさまざまなデザインを施すことができるようになった。美的にトゥールビヨンを進化させていく、今後のフランク ミュラーの方向性をも感じさせる。
キャリッジが5秒で1回転する世界最速の「サンダーボルト トゥールビヨン」に搭載するムーブメント。Cal.FM2100をベースにしながら、内向きに歯が切られた、複雑な形状のエレクトロフォーム製の固定ガンギ車を設置。15個ある歯を1秒につき3個分進むことで、1周5秒というスピードを実現する。輪列としては、Cal.FM2100と同様に反転させつつ、3番車以降に中間の増速車を設置して高速回転に備えている。精緻なスケルトン加工も施され、優れた審美性を誇る。
「世界最大」「世界最速」を成し遂げたのちに「世界最小」のキャリッジを目指して直径11.6㎜を実現し、「レディ トゥールビヨン」に搭載した。構造のベースとしたのはCal.FM3400系で、縦2段の香箱を備える。当初、小さな慣性モーメントを安定的に駆動させることが困難であったが、キャリッジの重量バランスを調整して製品化に成功。ハートのデザインも特徴的だ。また香箱を1段にして、裏側にプラチナ製マイクロローターを備えた派生形のCal.FM2060も展開する。