FRANCK MULLER
重力からの解放
それは自由への挑戦。
Prologue
“マスター オブ コンプリケーション(=複雑機構の匠)”を謳い、高精度な複雑機構の腕時計を創造し続けるフランク ミュラー。2006年以降、コンプリケーション部門では、黎明期から夢見ていた完全なる自社一貫生産の時計作りが進められている。
The
Founder of
the Brand
まだ見ぬ新たな時計の姿を夢見て、かたちにする作業を繰り返す。こうして夢の創造主であるフランク ミュラーは、長年にわたって世界中の時計愛好家たちを喜ばせてきた。
Challenge For
Creativity
常識の枠を超えて、
豊かな想像力が宙を舞う。
数ある複雑機構のなかでも、最高峰に位置づけられるのがトゥールビヨンである。そして、フランク ミュラーが"マスター オブ コンプリケーション"と讃えられるのは自社製造を進める中で、創造性の高い数多のトゥールビヨンを生み出してきたからだ。ここでは、その原点ともいえるブランドの代名詞、フライングトゥールビヨン誕生の裏側に迫る。
Challenge For
Multi Axis
テンプの回転運動に誤差を生じさせる片重りの平均化。これこそ、トゥールビヨンが目指した高精度への挑戦だ。しかし、あらゆる姿勢を取る腕時計にとって、“1軸式”では、三次元空間に十分対応しているとはいえない。そこで軸を増やすことで平均化の精度をより高めようとしたのだ。
Challenge For
Up Sizing
精度向上のために生まれたトゥールビヨンは、いつしか美観を楽しむ装飾としても愛でられることに。そこで、理想を追求し続けるフランク ミュラーは、ひとつの解にたどり着く。それはキャリッジの大型化である。大きなコマほど安定して回転し続ける法則に基づき、世界最大のトゥールビヨンを誕生させたのだ。
Challenge For
High Speed
Rotation
フランク ミュラーは5秒に一回転する超高速キャリッジを世界で初めて実現した。トゥールビヨンの高速化を目指す潮流を先駆ける姿勢こそ、フランク ミュラーが掲げる挑戦的な姿そのもの。常識を超えた高速化は、職人たちの情熱の証しであり、トゥールビヨンの未来を拓く特別な一歩でもある。
Challenge For
Power
Reserve
テンプ・アンクル・ガンギ車を搭載するキャリッジを駆動するトゥールビヨンに対しては、安定的なパワー供給が必要だ。振り落ちによって精度を落とさないためにもロングパワーリザーブの仕様が不可欠となる。そのために製作陣は何に挑んだのか。
Challenge For
Weight
Saving
テンプ・アンクル・ガンギ車を搭載して回転するトゥールビヨンのキャリッジは常に軽量性が求められる。軽量性と強度がトレードオフとなるなかで、精度を追い求めながらも審美性を重んじるフランク ミュラーは、どのようにキャリッジの軽量化を進めていったのか。パーツ製造と装飾においても特筆すべき点を明らかにする。
Challenge For
High
Efficiency
腕時計の精度向上に対して、高い工作精度から生まれたパーツがより寄与するという点に異論はないだろう。それが複雑機構のトゥールビヨンならばなおのことである。香箱が生み出した高いエネルギーをいかにして効率良く、少ないロスで伝えられるか。近年、新たに生まれた電磁鋳造のテクノロジーがその福音となるだろうか?
Challenge For
Expansion
グランドコンプリケーションの先駆者、フランク ミュラー。複雑機構を組み合わせるうえで核となるトゥールビヨンにどこまで拡張性を与えられるのか。1980年代後半から、妥協なく挑み続ける複雑機構への取り組みの結実「エテルニタス メガ4」に、ブランドの真髄が見て取れる。
Advantage Of The
Mechanism
トゥールビヨンにおいて欠かせないさまざまな駆動方式。大きくふたつに分けたとき、いずれの方がより優れているのか。トゥールビヨンの世界を知れば知るほど、気になるところ。それらの特徴を深く知ることで、好みに合った仕様を選び取ることができるかもしれない。
Specification Of
Tourbillon
Base Caliber
重力からの解放 — それは自由への挑戦。