MASTER OF COMPLICATIONS
FRANCK MULLER

STEP4 部品づくり 最先端の機械とそれを完璧に操作する職人の技 ─全長1.0㎜のネジさえも自社製─

STEP4 部品づくり 最先端の機械とそれを完璧に操作する職人の技 ─全長1.0㎜のネジさえも自社製─

マニュファクチュールとは手工業、と部品製造の責任者は語る。時計を構成するパーツの点数は、多いものでは千を超える。

視線を集めるトゥールビヨンキャリッジや、見えない部分の細かなネジまでそれらはすべて人の手を介し、高い精度や均一化はもちろん、美しさまで追求するのだ。

それは機械ではできない、人間だけが可能にする領域であり、だからこそマニュファクチュールになりうる。そうして生み出された小さな傑作が次の人の手へと渡され、情熱はさらにつながっていく。

ムーブメントを構成する
小さな歯車やネジ、リュウズ…etc.
そのすべてがオリジナル

ムーブメントを構成する
小さな歯車やネジ、
リュウズ…etc.
そのすべてがオリジナル

ネジや巻き真、天真などの素材になる鋼材は長い棒状で納品される。この状態で棒材切削機に入れ、成形する。
リュウズパーツの一部。
巻き真の針回しと巻き上げを切り替える鼓車。1時間で16個製作できる。両側の歯に磨きもかけられ、あとは最終仕上げをするだけの状態に。
歯車はこうした円形プレートの真鍮から何枚かがくり抜かれる。
歯車の軸は成形後、歯車が付けられる前により硬度を高めるために、さらに研磨と加工が施される。

最新機械で製造される部品が
“職人の手”によって完成する

専用の工作機械で薄く丸い部分に歯が切られる。
完成した歯切りの状態。
これをさらに研磨する。美しく仕上げるだけでなく、バリを落とし、滑らかな動作と油溜まりを防ぐとともに、パーツ寿命をより延ばすためにも欠かせない。
歯磨きの専用旋盤にセットし、指先の感覚で約7秒間押し付ける。この時、長年の勘で音からも磨き上がる時間を判断する。熟練の手による、高級時計ならではの匠の技だ。

@アトリエD
パーツプロダクションマネージャー

スティーブン・ブーラン

「目に留まらないパーツであっても苦労してつくっていることを知っていただけると嬉しいし、とても誇らしい」と語る。