MASTER OF COMPLICATIONS
FRANCK MULLER

STEP2 設計 二次元のデザイン画を三次元で再構築していく ─外装とムーブメントの理想を追求する─

STEP2 設計 二次元のデザイン画を三次元で再構築していく ─外装とムーブメントの理想を追求する─

デザイナーからのバトンは、設計部門に渡される。ここで2次元の創造性が3次元の現実となって立ち上がっていく。デザインでは描かれていないケースのカーブや、ムーブメント収納を計算した設計図が完成すると、デザイナーとの検証が行なわれた後、プロトタイプを製作。問題点の抽出、修正が繰り返され、最終確認が済んだ段階で量産に進む。この間、全体の調整役も設計の役割であり、担当者はケースだけでなく、工程そのものも設計するのだ

設計に委ねられるもうひとつの最重要事項がムーブメント開発だ。多彩なバリエーションに対し、専門チームに分かれ、クレイジー アワーズではひとりの設計者が最初から最後まで担当し、以降の製品化までの過程も把握する。現場では設計部門と時計師がタッグを組むことで、スピーディかつ新たな発見を生んでいると担当者は語る。

トゥールビヨンの設計では、それまで内蔵されていた複雑機構を腕時計で初めて文字盤に表出し、美観に昇華したブランドの自負を込める。またスケルトンの設計でもデザインと機能、信頼性の融合を追求し、理論や計算による設計以上に、自由なクリエイティビティが存分に注がれるのだ。

新しいムーブメントを開発

@アトリエC プロダクションマネージャー

ムフィッド・ハナ

設計はエンジニアとプロトタイプを担当する技術者らが一体になって作業を進める。分業化する時計製造を支えるのは、各部署の柔軟かつ強固な連携がもたらす素早い意思決定。絵画を趣味とし、プロ顔負けの腕前を誇る。

すべての時計の外装を開発

@アトリエB 外装パーツエンジニア

マウロ・ソリダ

ケースはひとめでフランク ミュラーとわかる個性であり、設計はデザインとムーブメントをつなぐ作業ともいう。各部門の意見をまとめていく上で全てが納得するのは難しいが、どこを最優先にするかを見極めジャッジする。

複雑機構の
ムーブメントを開発

@シャトー ムーブメントデザイナー

フローリアン・グレイフィエ

トノウ カーベックスは円形に対し、独自の形状とスペースを生かすことでムーブメント開発の可能性も広がるという。マスター・オブ・コンプリケーションの銘には、未だかつて見たことがないような時計への情熱が込められる。

トゥールビヨンに
特化して開発

@アトリエA チーフウォッチメーカー&主任時計技師

パトリス・クストン

トゥールビヨンチームのチーフであり、ムーブメントの設計も手がける。設計の際は最適な構造と生産効率だけでなく、時計師の円滑な組立て作業も考える。「伝統を重んじるのは、それが一瞬に壊れるものではないから」と語る。