MASTER OF COMPLICATIONS
FRANCK MULLER

STEP1 クリエイティブ最優先というプリミティブな発想 デザイン -時計づくりをつかさどる行為-

STEP1 クリエイティブ最優先というプリミティブな発想 デザイン -時計づくりをつかさどる行為-

時計作りを巡る長い旅路は、まずデザインから始まる。ウォッチランドの中枢、シャトーにデザインルームはある。

フランク ミュラーのデザインアイコンにトノウ カーベックスがある。ムーブメントとの一体感あるフォルムは、マニュファクチュールならではの強みであり、独自の複雑機構クレイジー アワーズはその本領を存分に発揮する。

奇想天外な機能を限られたスペースに収めるだけでなく、これまでと変わらぬデザインで実現したことでさらに驚きが増す。しかしそれだけにデザインワークは難しさを増すのも事実だ。だがそれでも人を楽しませたい、というフランク ミュラーの思いが貫かれる。 それは実現性や効率性よりも、クリエイティブを最優先とする時計づくりの信念ともいえるだろう。

グランドセントラルでは、せり出した文字盤の中央にブランドの真髄であるトゥールビヨンを収め、存在を誇示する。さらにクルー・ド・パリの装飾にねじりを加えたことで、機構の語源である渦巻きの力強さをデザインする。注がれるのもウィットに富んだ遊び心であり、作っている自分たち自身がまず驚くような時計を作り続けたい、とデザイナーたちは語る。

新たな視点や解釈により、
独創的な物語が始まる

デザインプロセスは、まずアイディアのスケッチから始まる。
デザイン画に起こし、概要が固まった段階で社内検討へと進む。
次世代のデザインを担うデザイン部門の責任者であるグレナ氏。
彼が手がけたグランド セントラルはケースも一新した。
サンプルケースにはカラフルな文字盤が並ぶ。限定モデルを含め、多彩なバリエーションを誇るのもブランドの特徴だ。

@シャトー デザイン部門統括

ジョン=ルー・グレナ

創業時から貢献する
デザイナーであり
想像的先駆者

窓の外にはウォッチランドが広がり、その先にはモンブランの雪渓も。
同じトノウ形の文字盤でも時代とともに変遷し、多くのバリエーションが製造されている。
初代クレイジー アワーズは2003年に単色のインデックスで登場し、後にカラードリームとしてマルチカラーを採用。
デザインルームには試作や規格外の文字盤が溜まる。
伝統的かつ独創的なジャンピングアワー機構を視覚的に演出したフランク ミュラーらしさが溢れる文字盤。

@シャトー ダイアルデザイナー

ルネ=ピエール リッチ